クールな同期が私だけに見せる顔
ハリネズミの恋
一カ月前、夏休みの予定を考えるとき、
省吾と一緒に休みを取ろうと、二人で話し合った。
スケジュールを調整して、休みの日程を決めた。
一週間ある休みのうち、完全には重ならなかったけど、3日間だけ一緒に取ることが出来た。
二人で、どこかに出かけようと言っていたのを思い出した。
省吾は、旅行に行くのが乗り気じゃなかった。
なので結局、どこにも決まらないうちに、夏休み間近になっちゃった。
『どうせベッドから出ないんだ。
どこに行っても一緒だよ』
『せっかくのやすみなのに。
そんなの、やだ』
『せっかくの休みだから、どこにも
行きたくないんじゃないか。
それとも、移動中、晴夏を俺の膝の上に
乗せていられるなら、いいけど』
『ねえ、本当にどこにも行かないの?』
『俺の希望は、何だって聞いただろう?
俺はそれに答えただけじゃないか。
晴夏のこと可愛がりたい。
こいつの全部、俺のものだって教えてやりたい』
そんなこと言ってたのに。
言ってることと、やってることが
まるで違うじゃないの。
口だけのやつ。