クールな同期が私だけに見せる顔
「お金を出したの?」

「まさか、突っぱねたさ。お金出す以前に不正にかかわる訳にはいかない」

「それで?」

「彼女に頼んで写真を消してもらった。
条件は、俺の部屋で会うこと」

「そう……」

「時期も悪かったんだ。美登里がその写真を見せて、君に余計なこと吹き込んだら、晴夏との仲がこじれてしまうと思って」

「そんなことで、ダメになるの?私たち」

「俺は、君には信用がない」

「そうなのかしら?」

「だって、そんなもん見せられたら、俺のこと疑うだろう?
やっぱりそういうやつだって思うだろう?」

「そうね。そう思うでしょうね。
でも、何もしないわけじゃないよ。
少なくとも、どう思ってるのか、あなたに聞くと思うわ」

「俺のこと、独身主義者だと言って差別して来たくせに」

「説明しない、あなたが悪いんでしょう?」

「その分、優しくしてきた。言葉伝えようとしてきた」

「うん」

「それなのに、ひどいよな。
俺に確かめもせず、勝手に浮気したって決めつけやがって」

「ん?」

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