クールな同期が私だけに見せる顔
晴夏がうつろな目で見つめてくる。

晴夏の体が熱くなって来てる。

胸の辺りがひんやりして変な気分だった。


晴夏、何してんだ?

腕を巻き付けたまま、体を押し付けてくるから触れてるところから体温を奪うみたいに俺の体も熱を帯びてくる。

なんて顔だよ。



「上着、しわになるよ。脱いだら?」
晴夏はふらっと俺の目の前まで来て、頬に軽くキスしてきた。

「お前、いい加減にしろって」

脱げってどういう意味だよ。
ふわっとした柔らかなものが触れた。

晴夏が、俺の胸に体を寄せていた。

「でも、久しぶりだとすんごい恥ずかしいね……」


「なに言ってんの?離れろって」
お前、なんで女みたいなことしてるんだ?

「ねえ、どうしてそんなに、怒るの?あの事、まだ怒ってるの?」

逆に、晴夏の方が必死に俺の胸にすがってくる。

「晴夏、止めろ。これ以上くっつくなって」

本気でやばい。

「上着脱がしてあげる。どうして嫌がるの?」

晴夏は、俺の上着を脱がして脇に置いた。

今度は、俺のシャツの裾に手をかけて、引っ張り上げようとする。

やめさせなきゃ。


もう無理だ。

晴夏の体、こうして抱いてると気持ちいい。

「上着脱がさせてやるから、君の服も脱がせてあげるよ。
晴夏がどんな顔するのか見たい。いい?」

晴夏は、頷くと大人しく俺に従ってシャツの裾から手を離す。

言われるまま、俺の顔をうつろな目でじっと見ている。

くそっ、何て可愛いんだ。

もう、どうにでもなれ。

隅から隅まで、全部食べてやる。
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