クールな同期が私だけに見せる顔
「早くこれ着ろ」

省吾は一旦、離れていなくなったと思ったら、バスタオルと部屋着を持って戻ってきた。

彼が手にしていたのは、普段着ている部屋着。

するっとした肌触りの良い生地の上下セットになったものだ。

彼が持ってきてくれたのはこれだけ。

洗濯ものを取り込んで、たたんだままソファに置きっぱなしだったから、これを持ってきてくれたのだろう。

バスタオルで体を拭いて、部屋着袖を通す。

これって、着心地良いけど……

体の線が丸わかりなのだ。

それでも、バスタオル巻き付けて、彼の前を横切るよりは、だいぶいい。


私は、タオルを髪に巻き付けてバスルームを出る。

部屋の作りは、細長い構造になっていて玄関からすぐにキッチンがあって、ソファとテレビ、一番奥にベッドが並んでいる。

ウナギの寝床みたいだが、ついたてをすれば、ベッドのある場所だけ仕切ることが出来て結構便利だった。

でも、ソファでテレビを見ている省吾の前を通らなければ、ベッドの奥にあるクローゼットまでたどり着けない。
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