クールな同期が私だけに見せる顔
「晴夏といると、相手が晴夏だと違うんだ。すごく居心地がいい。俺一人じゃない安心感があるっていうか」
「そ、そうですか」
「嬉しくないのか?反応があっさりしてるな」
彼が、整った顔を上げて言う。
「好きな相手と抱き合うってそういうことじゃないの?」
私は、わかった振りして言った。
だって、違うって言われても。俊介さんくらいしか比べる相手いないし。
それ以外は、思い出せないから分かんない。
「そうなのか……」
と言ったまま、考え込む彼。
「あのね、私はあなたみたいに、恋愛経験が豊富じゃないの。だから深く考えないで」
「そんなことが豊富だからって威張れないさ。回数なんて問題ないんだな。晴夏抱いてみてよくわかったんだ。
付き合った数より、好きな女とたくさんした方がいいんだって」
「んん?」
「だから、晴夏とたくさんする」
省吾が襲ってきた。
「いや、あのね、省吾」
「だって、お前の肌、触ってると気持ちいいし。つい手出したくなるし」
「気持ちいいって、なに?」
「ずっとこうしていたいんだ。離れたくないし、帰りたくなくない」