クールな同期が私だけに見せる顔
カーテンの隙間から、
夏の強烈な暑さが感じられる。
体を重ねるようにして、ベッドの上に寝ていた。
省吾は、私の腕に抱かれて眠っている。
私は、彼の大きな体を、抱きかかえるようにして眠っている。
狭いベッドで寝てるから、
くっ付いていた方がいいのだけれど、
寝返りして彼から離れても、いつの間にか、彼に引き戻されて元に戻っている。
彼は時々、私の背中に回した腕をぎゅっと引き締める。
乱暴にしたのではないかと、傷ついてないか指で確かめるようになぞっていた。
省吾は一瞬、私のことを、気遣うそぶりを見せる。
私は、大丈夫というつもりで彼の頭を撫でて、てっぺんに軽くキスしてあげる。
そうすると、安心したように眠りについた。
時々腕が外れそうになると、ぎゅっと力を入れ直す。
小さな子が、母親から離れないようにする仕草みたい。
「可愛い」
彼の様子を見て、私は思わず口に出してしまった。
省吾は、そんなふうにいわれるの、気に入らなかったみたいだけれど。
何度も言われると何も言わなくなった。
彼は、可愛いと言われそうになると、
力ずくで私の体をひっくり返して、わざと荒っぽいキスをしてきた。
「向きになって可愛い」
「黙れよ。今すぐにでも、何にも考えられなくしてやる」