クールな同期が私だけに見せる顔
私は、省吾のことを頭の中から追い出して、順調に作業を進めていた。
「やっぱり気になるわ。沢井君何て言ってきたの?」
「ですから、個人的なことで話すようなことじゃありません」
「じゃあ、なに?私に説明できないって言うの?」
もう、省吾のせいだ。
面倒なことになっちゃった。
「本当に、くだらない、個人的なことですから。美登里さんに言う必要ないと思います」
「どうして言えないのよ?」
「だから、個人的なことだと……」
「省吾なら、個人的なことでも、
何でも私に頼んでくるのに」
「それなら、本人にそう伝えてください」知るもんですか。
「そうね。今度そう言っておくわ。鈴木さん忙しいものね。わざわざ鈴木さんに頼むのは迷惑だって言っておくわ」
「いえ、そういう意味で言ったわけでは……」
「誘われてるの?省吾に。食事しようとか?二人で出かけようとか?」
「いいえ、本当に、単に用事があるだけです」
私は、彼女を無視した。
時間になると、彼女は、別の営業の対応に追われてた。
私は、美登里さんを残して休憩に出た。
先に店にに行ってるからと、省吾に連絡した。
省吾から誘って来た時は、
早めに仕事を切り上げて、彼の方から
私のデスクに来ることが多い。
なので、美登里さんに省吾と一緒のところを見られない様に、私は、先にオフィスを出ることにした。