クールな同期が私だけに見せる顔
「どうしたのよ。おかしくなったの?」
「うるさい、黙ってろ」
何、逆ギレ?
今度は何で怒るのよ。
あんまりに行動が速くて、彼から逃げようなんて無理だった。
気がついたら、彼に抱きしめられてキスされてた。
彼の言う通り、どう見ても、キスしてるっていう、しっかり唇を押し付けられて……
気が遠くなりそうだった。
くらくらする。
これは、きっと二日酔いのせいだと思う。
省吾のキスに反応してるんじゃなく。
ちょっと待って。
同僚にキスされてるの?
昨日まで冗談言って笑ってた、友人だと思ってた男が私にキスして、口をあけろって迫ってる。
からってるの?
うっとりしてる場合じゃない。
しっかりして!
キスされてうっとりしてたら、こいつの思う壺じゃないの。
私は、ビックリしたのよ。
もっとして、じゃなくて。
私は、信じられないっていう非難の目を向けた。
そして、両手で強く彼の胸を押し出した。
彼の体と、距離を置く。落ち着かなきゃ。