ドキドキしてろよ、俺にだけ。~クール男子の、裏の顔!?~side湊
「ふぅ……。
ナメてたけど……。
けっこうあるな」



軽くため息をついて、ひとりごとを漏らす。



体を回転させて、資料棚に寄りかかった。



「そっちは、どう?」



言い方がいつもよりそっけなくなったのは、“かまってやるよ”的な態度を隠すため。



「だいぶ進んだ?」



大熊さんに話しかけながら、片手でネクタイをキュキュッと緩める。



ついでにボタンを2コ、スルッとはずす。
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