ドキドキしてろよ、俺にだけ。~クール男子の、裏の顔!?~side湊
「…………」



「『俺がふたりっきりになるのは、花だけだよ。
それは、どうしてだと思う?』
……って、聞いてるだろ?」



「…………」



「その最中に……。
あーあ。
そんなに無防備に近づいちゃって。
俺に……。
キスでもしてほしいわけ?」



つかんだ大熊さんの手首を引っ張る。



パサッと教科書が机に落ちた。



「この席の“ジンクス”、花も知ってるだろ?」



低くかすれた声でささやいて、斜めに顔を近づけた。
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