フラワーガーデン【アリシア編】
葬儀の翌日。

遠くの修道院から穏やかな目をしたふくよかな50歳位の修道女が神父様と一緒にやってきた。

「まぁ、可愛らしいお嬢さんだこと。
まるではちみつを溶かしたような見事なブロンド。初めて見ましたわ」


突然の来訪者にアリシアは驚き、急いで僕の背後に隠れ、そこから不安そうに彼女たちをちらちらと見ていた。


「ジョージ、この人たちだぁれ?」


僕はアリシアの前に跪くと、彼女の手を取った。


「お前はこれからこのおばさん達と一緒に、お友達が沢山居るところにちょっとだけ遊びに行くんだよ」

「遊びに?」

「うん。そうだよ」

……ごめん、アリシア。

嘘なんだ。

お前はこの修道女と一緒に遠く離れた孤児院に行くんだ。

そして……

「ジョージも一緒?」

「えっ?あ、いや……それがだめなんだ」

「何で?」

「何でって……」

僕は明後日、別の孤児院に連れて行かれる予定になっていた。


そして……

そして、それは、僕たち兄妹がもう二度と会えないことを意味していた。







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