フラワーガーデン【アリシア編】
「まぁまぁまぁ!!こんなところにいらっしゃったとは!
随分、お探ししたんですよ!
旦那様もエドワード様も、すでに朝食のテーブルにお着きでございます!」

「お願い。教えてノラ。ジョージはどこにいるの?」

ノラの瞳に緊張の色を見て取る。
不吉な予感に胸騒ぎがする。

「そ、それは……」

ノラは言葉を詰まらせると、先程のバトラーのように俯いてしまう。

ノラを庇うようにバトラーが私たちの間に歩み出て、唇を震わせながら頭を下げる。

「それは、大旦那様がお答えになります。これ以上は私共の口からは……」

「分かったわ。食堂に行けばいいのね」

私は、ノラとバトラーをじっと見つめると、踵を返す。



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