フラワーガーデン【アリシア編】

ジョージはどこにいるの？
どうして二人とも教えてはくれないの？

全てのジョージの存在がこの屋敷からかき消されようとしているみたいでぞっとする。

私はまだこの体に残るジョージを感じながら、足早に食堂を目指して走っていった。

そして、あと少しで食堂というところでサリーが息咳を切りながら私を追い駆けてくる。

「お、お嬢様！！アリシアお嬢様！！お待ち下さい！お話が……お話がございます！」

「ごめんなさい、サリー。急いでるの。話は後で聞くわ」

「ジョ、ジョージ様から、はぁはぁ……お預かりしたものが……ゼィゼィ……あるんで……ございます……はぁはぁ……」

「ジョージから？」

突然止った私にサリーは顔をぶつけ、鼻の頭を擦りながら「これで、ございます」と分厚い本と小さな箱を差し出した。