フラワーガーデン【アリシア編】
「ジョージ様は、『もう、必要なくなった』とおっしゃっていました」
「必要が無くなったって、どういうこと?」
私の質問に、サリーまでもが口をつぐむ。
そして、今度は箱を差し出す。
「ジョージから?」
頷くサリーに促されて、箱の蓋を開ける。
「これ……も、私に?」
「はい。アリシア様に持っていて欲しいとおっしゃっていましたが?」
父さんの形見の腕時計。
何よりも大切にしていた父さんの腕時計を私に持っていて欲しいなんておかしいわ。
不吉な予感が、どんどん現実のものになっていく。
私は、腕時計のバンドを外し、自らの手首に巻くと、「有り難う……」とサリーを抱きしめ、再びおじい様の待つ大広間を目指して駆け出す。
「必要が無くなったって、どういうこと?」
私の質問に、サリーまでもが口をつぐむ。
そして、今度は箱を差し出す。
「ジョージから?」
頷くサリーに促されて、箱の蓋を開ける。
「これ……も、私に?」
「はい。アリシア様に持っていて欲しいとおっしゃっていましたが?」
父さんの形見の腕時計。
何よりも大切にしていた父さんの腕時計を私に持っていて欲しいなんておかしいわ。
不吉な予感が、どんどん現実のものになっていく。
私は、腕時計のバンドを外し、自らの手首に巻くと、「有り難う……」とサリーを抱きしめ、再びおじい様の待つ大広間を目指して駆け出す。