フラワーガーデン【アリシア編】
重々しい飾りがゴテゴテと付いた両開きの扉を勢い良く開けると、おじい様とエドが食卓で談笑していた。

「おお!アリシアか!待っていたぞ!さ、早く掛けなさい」

「誕生日おめでとうございます。レディアリシア」

おじい様とエドは、椅子から立ち上がると上機嫌で私を招き入れる。

私は椅子の側まで来ると、椅子の背もたれに手を掛け呼吸を整える。

「どうした?掛けなさい」

「……ジョージはどこ?」


おじい様の目から笑みが消える。


「私は席を外しましょうか」


立ち上がろうとするエドをおじい様は手で制し、「君も居たまえ」と鋭い目で彼を見据える。

いつもと違うおじい様の態度に、緊張しながら私が席に着くと、おじい様は重々しくその口を開く。

「アリシア。ヘイワーズ家は代々、軍の要人を輩出してきた家系なのじゃよ」

「軍の……要人……?」

「そして、国家の有事の際には常にこの身を国家に捧げて来たのじゃ」

ここまで話すと、おじい様はバトラーに「あれを」と目で合図する。

すると、バトラーは1枚の紙を持ってきて、私の目の前に滑らせる。


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