フラワーガーデン【アリシア編】
がっくりと項垂れて封に手紙をしまおうとした時、封の内側に書いてある文字が目に止まる。

『ILUF』

二人にしか分からない愛の言葉を潜ませたジョージの想いに涙が溢れる。

私は急いでドレスに着替えようと、今着ている服のジッパーを下ろす。

その時、「ひゅー♪」と口笛を吹くエドの存在に初めてが気付く。

「脱ぐのでしたら、喜んでお手伝い致しますが?」

いけない!

忘れてたわ!!


慌ててドレスで下着を隠していると、ノラがエドの襟首を掴まえて外まで連れ出してくれる。


「幾ら大旦那様が認められて婚約のご予定とは言え、まだ違いますからね!
エドお坊ちゃま!」


ノラの言う「エドお坊ちゃま」に私は吹き出した。


だって、私から見たらどう見てもおじさんだもの……。


女中歴40年の歴史を誇る女中頭のノラにかかると、さすがのエドもホールドアップして部屋から出て行ってくれた。


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