フラワーガーデン【アリシア編】
ノラは私の着替えを手伝いながら、ジョージのことを話し始める。

「私はよく経緯は存じ上げませんが……。今回の事は私も怒っているんですよ。
大旦那様と来たら、今朝になっていきなりジョージ様がNYのウエストポイントへ行くことになっただなんておっしゃられて!」

私はノラにドレスを着せてもらいながら、初めて聞く事実に息が止まる。

「正式なご入学は来年だったはずですのに……。『何もよりによって、アリシア様の大事なお誕生日の朝に行かせることはないじゃないですか!』と私は強く反対したんでございますよ」

ノラは私のドレスを着せた後、髪を結い、昨日ヒューバートに殴られてアザになっている頬にファンデーションをあててくれる。

「さ、出来ましたよ」

ノラにお化粧をしてもらって良かった。
でなければ、私の顔は真っ青に蒼ざめてしまっていることが皆に分かってしまったかもしれない。

もしかしたら、おじい様は私とジョージのことに気が付いていらっしゃるの?



足元が揺らぎ、動揺に心が乱れる。


< 134 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop