フラワーガーデン【アリシア編】

ジョージやエドと比べると、背丈は同じ位だけど、体の線が細く、しなるようなその体躯は中性的で……。

それに漆黒の闇を映したその瞳はオリエンタル・セクシーと言った感じで、その瞳を奪おうと女性達は頬を染めながら先生の前にシャンパンを競うように差し出していたっけ。

「その眼鏡、まさか度が入ってないんじゃ……」

「あ！こら！！」


私は先生から眼鏡を奪い取ると、自分に掛けて見る。


「やっぱり！先生、眼鏡を取った方がハンサムだわ。どうして、掛けてるの？」

「勝手に人の物を取ってはいけません」


質問には答えずに先生は耳まで真っ赤になりながら眼鏡を奪い返す。


「そう！それに、今はどうして敬語なの？昨日は……」

「今は仕事中ですから。公私はわきまえないと。今日は質問ばかりですね、アリシア」

先生はリュックを右肩からぶら下げ黒縁眼鏡を掛けると、「宿題は出来ていますか？」ともう先生の顔に戻っている。


部屋に入ると先生はリュックを下ろし、テーブルの上に置いていた宿題に目を通し始める。