フラワーガーデン【アリシア編】
「分かった。君の気持ちは」
「ごめんなさい。先生」
「とりあえず、今は日本語の授業に集中しよう。そうだ!今日は気分転換に課外授業にしよう」
「課外授業?!」
「雨が降りそうだから、雨具と数着着替えを持ってきて下さい。そうだな。できればジーンズとかもあると良いんですが……」
「持ってないの。おじい様もバトラーもはしたないからダメだって……」
「そうか。それじゃ、仕方ないですね。じゃ、せめて、雨が降っても大丈夫なような服を用意してきて下さい」
私は慌ててタンスとクロゼットをひっくり返すと、数枚をバッグに詰め込んだ。
「街までバイクに乗るので、出来ればリュックで。僕は先に行ってバイクを車寄せに持ってきますから、それまでには準備して下に降りてきて下さい」
先生の要望に慌てて数年前に使ったリュックを屋根裏部屋から引っ張り出し、着替えをリュックに移し替える。
準備を終えて玄関を出ると、バイクの前で先生がバトラーと話しこんでいた。
だけど、彼は私の姿を見るなり「バトラーの許可は得ましたから」と親指を立てる。
「先生。安全運転でお願い致しますよ」
「ええ。大事なお嬢様ですから」
心配顔のバトラーに先生は笑顔で返す。
先生は私にヘルメットを被せて後部座席に乗せると、エンジンを掛けて一気に門を目指して走り出す。
木々がざわめき、景色が飛び、あっと言う間に屋敷を鬱蒼とした木々が遠い彼方へと包み込んで行く。
「凄いっ!速いわ!!」
「飛ばすから、ちゃんと掴まって!!」
今にも振り落とされそう……。
だけど、不思議と恐くない。
私はこの時、この道が新しい世界へ続いているとは夢にも思っていなかった。
「ごめんなさい。先生」
「とりあえず、今は日本語の授業に集中しよう。そうだ!今日は気分転換に課外授業にしよう」
「課外授業?!」
「雨が降りそうだから、雨具と数着着替えを持ってきて下さい。そうだな。できればジーンズとかもあると良いんですが……」
「持ってないの。おじい様もバトラーもはしたないからダメだって……」
「そうか。それじゃ、仕方ないですね。じゃ、せめて、雨が降っても大丈夫なような服を用意してきて下さい」
私は慌ててタンスとクロゼットをひっくり返すと、数枚をバッグに詰め込んだ。
「街までバイクに乗るので、出来ればリュックで。僕は先に行ってバイクを車寄せに持ってきますから、それまでには準備して下に降りてきて下さい」
先生の要望に慌てて数年前に使ったリュックを屋根裏部屋から引っ張り出し、着替えをリュックに移し替える。
準備を終えて玄関を出ると、バイクの前で先生がバトラーと話しこんでいた。
だけど、彼は私の姿を見るなり「バトラーの許可は得ましたから」と親指を立てる。
「先生。安全運転でお願い致しますよ」
「ええ。大事なお嬢様ですから」
心配顔のバトラーに先生は笑顔で返す。
先生は私にヘルメットを被せて後部座席に乗せると、エンジンを掛けて一気に門を目指して走り出す。
木々がざわめき、景色が飛び、あっと言う間に屋敷を鬱蒼とした木々が遠い彼方へと包み込んで行く。
「凄いっ!速いわ!!」
「飛ばすから、ちゃんと掴まって!!」
今にも振り落とされそう……。
だけど、不思議と恐くない。
私はこの時、この道が新しい世界へ続いているとは夢にも思っていなかった。