フラワーガーデン【アリシア編】
「アリシア!?」
エドは私に気が付き、降りたばかりの汽車へと駆け寄って来る。
汽車は既にドアを閉ざし、ゆっくりと走り出す。
「下りなさい!アリシア!!」
慌てて窓の下に深く体を潜めて隠れていたけれど、エドの声に意を決した私は立ち上がり、窓を開ける。
「ごめんなさい、エド!でも私……」
「アリシア!!」
エドが懸命に叫んで追い駆けて来る。
だけど、その声の殆どが汽車の騒音に掻き消され、やがてはエドの姿をも曲がる車列の向こう側に消し去っていった。
ぽつんと残されたひとつの翳が淋しそうに佇んでいるのが見える。
私はエドの昨夜の寝顔を思い出し、胸が締め付けられそうになる。
だけど、私は優しいエドの気持ちに応えられない。
「ごめんなさい、エド……」
謝りつつも、徐々に速度を上げていく汽車の中で不安が押し寄せてくる。
あのエドのことだわ。
きっと、もう次の駅には連絡が行っていて、私は着くなり屋敷に強制送還されるかもしれない。
そんなの嫌。
だけど、どうしたらいいの?
私は、ふと窓の外に目をやると、手をポン!と打つ。
「……そうだ。これしかないわ!」
エドは私に気が付き、降りたばかりの汽車へと駆け寄って来る。
汽車は既にドアを閉ざし、ゆっくりと走り出す。
「下りなさい!アリシア!!」
慌てて窓の下に深く体を潜めて隠れていたけれど、エドの声に意を決した私は立ち上がり、窓を開ける。
「ごめんなさい、エド!でも私……」
「アリシア!!」
エドが懸命に叫んで追い駆けて来る。
だけど、その声の殆どが汽車の騒音に掻き消され、やがてはエドの姿をも曲がる車列の向こう側に消し去っていった。
ぽつんと残されたひとつの翳が淋しそうに佇んでいるのが見える。
私はエドの昨夜の寝顔を思い出し、胸が締め付けられそうになる。
だけど、私は優しいエドの気持ちに応えられない。
「ごめんなさい、エド……」
謝りつつも、徐々に速度を上げていく汽車の中で不安が押し寄せてくる。
あのエドのことだわ。
きっと、もう次の駅には連絡が行っていて、私は着くなり屋敷に強制送還されるかもしれない。
そんなの嫌。
だけど、どうしたらいいの?
私は、ふと窓の外に目をやると、手をポン!と打つ。
「……そうだ。これしかないわ!」