フラワーガーデン【アリシア編】
噴水のところで腰を下ろして、先生はぷーーーっと吹き出す。
「焦った」
「ごめんなさい。でも、すごい人だわ」
「お蔭で助かるよ。終点まで行かないでここで降りて正解だったね」
電車の下車が遅れれば遅れるほど現地での調査が進み、先生も一緒に行動している事がばれてしまっていたかもしれない。
「次の駅で降りれば、マッカーシーからの通報を頼りに動く筈だから、警官捜査もまだ不十分で手薄なはずだ。下車するとすれば、やはり隣駅かな」
それが先生の主張だった。
先生と手を繋いだまま一息ついて汗を拭っていると、数人の女性がヒソヒソと私達を指差しながら笑っているのに気づく。
私は自分の着ている服を胸元から足先までじっと見下ろし、先生の手をそぉっと離す。
「どうしたの?」
「え?あ、あの。私、今、こんな格好だから、男同士で手を繋いでるって……。
だから、それでみんなが……」
「いいよ。それでも」
「先生……」
繋いでいる手が熱くなって汗ばんでくる。
急に今まで気にも留めなかった汽車の中でのことを思い出してしまう。
キスをした唇が
抱きしめられた胸が
熱くなって、顔が火照ってしまう。
「さて、とりあえず、少しでも遠くへ進も……ちょっと待って」
先生は眉を顰め、私のおでこに手を当てる。
「熱があるじゃないか!」
そうか。
それで、体が熱かったんだわ。
「これ位、大丈夫よ。先を急……」
立ち上がった瞬間、目の前が真っ暗になり、記憶が途絶えた。
「焦った」
「ごめんなさい。でも、すごい人だわ」
「お蔭で助かるよ。終点まで行かないでここで降りて正解だったね」
電車の下車が遅れれば遅れるほど現地での調査が進み、先生も一緒に行動している事がばれてしまっていたかもしれない。
「次の駅で降りれば、マッカーシーからの通報を頼りに動く筈だから、警官捜査もまだ不十分で手薄なはずだ。下車するとすれば、やはり隣駅かな」
それが先生の主張だった。
先生と手を繋いだまま一息ついて汗を拭っていると、数人の女性がヒソヒソと私達を指差しながら笑っているのに気づく。
私は自分の着ている服を胸元から足先までじっと見下ろし、先生の手をそぉっと離す。
「どうしたの?」
「え?あ、あの。私、今、こんな格好だから、男同士で手を繋いでるって……。
だから、それでみんなが……」
「いいよ。それでも」
「先生……」
繋いでいる手が熱くなって汗ばんでくる。
急に今まで気にも留めなかった汽車の中でのことを思い出してしまう。
キスをした唇が
抱きしめられた胸が
熱くなって、顔が火照ってしまう。
「さて、とりあえず、少しでも遠くへ進も……ちょっと待って」
先生は眉を顰め、私のおでこに手を当てる。
「熱があるじゃないか!」
そうか。
それで、体が熱かったんだわ。
「これ位、大丈夫よ。先を急……」
立ち上がった瞬間、目の前が真っ暗になり、記憶が途絶えた。