フラワーガーデン【アリシア編】

「……君が、少し僕に似ているから」

「私が?先生に?」

「うん。まるで、籠の中の鳥のように運命を決められて……自由を奪われて。放っておけなかったんだ」


先生は私のおでこをちょこんと叩くと、私の頭をクシクシにする。


「それに言ったよね。ジョージに会わせてあげるのが、僕からの誕生日プレゼントだって」

「先生……」


次の瞬間、先生の私の頭を撫でる手が止まり、窓の外側をじっと見ている。


「先生?」


先生は答える代わりに、人差し指を立てて唇に当てる。
そして、壁に体をぴったりと着けるとそっとカーテンを開き、窓の外に目をやった。

「……まずいな」

先生の呟きに、私はよくない事態が直ぐそこまで差し迫っている事を感じ取り、息を飲む。



< 181 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop