フラワーガーデン【アリシア編】
「……君が、少し僕に似ているから」
「私が?先生に?」
「うん。まるで、籠の中の鳥のように運命を決められて……自由を奪われて。放っておけなかったんだ」
先生は私のおでこをちょこんと叩くと、私の頭をクシクシにする。
「それに言ったよね。ジョージに会わせてあげるのが、僕からの誕生日プレゼントだって」
「先生……」
次の瞬間、先生の私の頭を撫でる手が止まり、窓の外側をじっと見ている。
「先生?」
先生は答える代わりに、人差し指を立てて唇に当てる。
そして、壁に体をぴったりと着けるとそっとカーテンを開き、窓の外に目をやった。
「……まずいな」
先生の呟きに、私はよくない事態が直ぐそこまで差し迫っている事を感じ取り、息を飲む。