フラワーガーデン【アリシア編】
マッカーシーたちが立ち去り、危機が去ったことにほっとした僕たちは、ベッドでまだ戦闘中の2人の部屋からそっと出ることにした。


アリシアはベッドの上の女性にヒラヒラと手を振り、別れを告げる。


「ね、先生、凄かったわね~」


部屋を出るなり、アリシアはなぜか嬉しそうに僕の服の裾を引っ張って目を輝かせている。



頼むから、僕にさっきの話を振らないでよ……。



まるで子供のように無邪気な君の笑顔は、僕の理性すら翻弄する、もはや凶器だ。


「勉強になるわ~」


いや、訂正。


どこかのおばちゃんだよ、それ。



エド達が去った後だと分かっていても、なぜか僕はとても警戒していた。

気のせいだろうか。

人の気配を感じる。

それに、胸騒ぎがする。

一刻も早くここを去った方がいい……。

僕の本能がそう告げている。


人気の無いフロントに宿代を置くと、僕とアリシアはモーテルを出た。



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