フラワーガーデン【アリシア編】
手加減なんかできるはずもなかった。


襲い掛かる男の手を腕で払い、ミゾオチを足で廻し蹴りした。

グシャリと複雑に骨が折れる鈍い音がする。


「っんのっやっろーーー！」


木の陰から棒を振り回し飛びかかる男をかわし、前のめり体勢を崩したところを更に足で払った。


すると、またもう一人背後から別の男が飛び掛かってくる。

拳を握り、その男の顔面にヒットさせると、その男の顔がグニャリと拉げた。

男達は勝手が違うと言わんばかりにじりじりと後退りし始める。


「先生！」


アリシアの声が遠くで聞こえる。


どこだ？！


「アリシア！どこにいる？！」


叫ぶと同時に、木の陰から一人の男が踊り出て、僕の首に掴み掛かってきた。


「先生！！！」


男に首を締められながら、霞む目でアリシアの声のする方を見た。



そして次の瞬間、信じられない光景を目の当たりにして僕の目は点になる。



アリシアは腕を振り上げたかと思うと男のわき腹に肘鉄を食らわし、腹を押さえている男の腕からするりと抜け出した。



そして、男の急所を……




蹴り上げた！！






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