フラワーガーデン【アリシア編】
「先生に指一本、触れてみなさい!こうよ!」


アリシアは、再度、小さな拳をシュッシュッと振り被ると、ワンツーパンチで構えている。


そんな小さな体で精一杯、僕を守ろうとするアリシアを命懸けで守りたいと思った。

そうだ。

敵が何十人いようとも僕は負ける訳にはいかないんだ。


君を必ず守り抜く。


「ありがとう、アリシア」

「先生……」


勇むアリシアの手を引き、僕の背に隠すと荒い息を整える。

奴らは……確か、5人いたはずだ。

フロントへ駆け込む男の翳を目の端で捕える。


「アリシア、ここから動かないで!」


逃げる男の前方に回り込むと顔を掴み、柱に叩きつけ失神させる。


あと、2人……くらいか?



はぁ……はぁ…はぁ……




流れ落ちる汗をブルッと頭を振りながら払い、もう一度、耳を澄ませる。


「先生、後ろ!」


アリシアの声に振り向き、間一髪のところで男が突き刺そうとしたナイフの切っ先を避ける。

男が怯んだ隙を突いて、一本背負いで地面に叩きつけた。

そして、僕はGパンの後ろに忍ばせていたサバイバルナイフを取り出すと、男の喉元に突き付けた。



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