フラワーガーデン【アリシア編】
「先生、ごめんなさい……。大丈夫?」
「いいから。気にしないで。僕こそ、ごめん」
彼女のパンチで勢い良くぶっ飛んだメガネは見事にオシャカになり、僕の左頬も腫れ上がった。
壊れたメガネのフレームの片方をリュックの外ポケットにぶら下げると、それが歩く度にカタカタとチャックに当たり、痛々しく揺れていた。
モーテルを出発し、とりあえず次の宿を求めて歩いている途中で、申し訳なさそうに僕の後ろをついて歩くアリシアに手を差し出すと、一瞬、嬉しそうに笑うものの、次の瞬間、彼女は恥かしそうに目を伏せる。
僕も差し出した手を持て余し、髪をクシャクシャと掻いた。
しっかり、警戒されてしまった。
「アリシア、お腹空かない?」
「え?!ううん」
「少し、休む?」
「え?!ううん」
まずい。
会話が続かない。
しかも、病み上がりの彼女の顔には早くも疲れが出ている。
「近くのホテルで休もう」
「え?!ううん!!!!!」
……やっぱり、ばっちり警戒されてる。
彼女が真っ赤になるから、僕も差し出した手を引いて頭を掻くしかない。
まいったな……。
気まずい。
すごく、気まず過ぎるよ。
なんであんなことしてしまったのか……。
今さら後悔したって仕方ない。
自分で蒔いた種だ。
また、少しずつ彼女の信頼を取り戻していくしかない。
「いいから。気にしないで。僕こそ、ごめん」
彼女のパンチで勢い良くぶっ飛んだメガネは見事にオシャカになり、僕の左頬も腫れ上がった。
壊れたメガネのフレームの片方をリュックの外ポケットにぶら下げると、それが歩く度にカタカタとチャックに当たり、痛々しく揺れていた。
モーテルを出発し、とりあえず次の宿を求めて歩いている途中で、申し訳なさそうに僕の後ろをついて歩くアリシアに手を差し出すと、一瞬、嬉しそうに笑うものの、次の瞬間、彼女は恥かしそうに目を伏せる。
僕も差し出した手を持て余し、髪をクシャクシャと掻いた。
しっかり、警戒されてしまった。
「アリシア、お腹空かない?」
「え?!ううん」
「少し、休む?」
「え?!ううん」
まずい。
会話が続かない。
しかも、病み上がりの彼女の顔には早くも疲れが出ている。
「近くのホテルで休もう」
「え?!ううん!!!!!」
……やっぱり、ばっちり警戒されてる。
彼女が真っ赤になるから、僕も差し出した手を引いて頭を掻くしかない。
まいったな……。
気まずい。
すごく、気まず過ぎるよ。
なんであんなことしてしまったのか……。
今さら後悔したって仕方ない。
自分で蒔いた種だ。
また、少しずつ彼女の信頼を取り戻していくしかない。