フラワーガーデン【アリシア編】

第2節 娼婦アマンダ

結局、アリシアの体調も考え、僕達は彼女の申し出を受け、車に乗った。


「かっとばすわよぉ~」


そのおっとりとした口調とは異なり、彼女のドライビングテクは想像を絶する荒っぽさだった。


「わぁぁぁぁぁ~!!!」
「きゃぁぁぁぁ~!!!」


僕達は後部座席で、右に左にと勢い良く転がっていた。


「すみません、お姉さん。もう少し、のんびりと走ってもらえると助かるんですけど……」

「なぁ~にぃ~?!それは免許持ってる人に言ってチョ~ダ~イ!!」


僕達はお互い顔を見合わせると、ごくりと息を飲む。


「お、おねぇ……さ……ん。まさか、免許……」

「や~ね~っ!持ってないわよぉ~。これ、キャクのだしぃ。あ。アマンダでいいわよぉ~」

「まじですか……」

「何でもいいからぁ~しぃっかり捕まっててぇ~」


後部座席でコロコロ転がり、目を回しているアリシアを必死で捕まえる。


命掛けのかっとびドライブは、僕がハンドルを奪い取る事でアマンダの店の前でなんとか無事、ソフトランディングした。



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