フラワーガーデン【アリシア編】
途端に、扉の向こうからはむっと鼻を衝くようなかなり強烈な香水の匂いと共に、一斉に女達が顔を出す。
「きゃーーーー!何ぃ~?!いい男だわぁ!!」
「私の客になって!」
「金なんかいらないから抱いて~」
「ずっるーい!おっにぃさ~ん!私だったらお金、あげるわよ~!」
僕は瞬時に身の危険を感じて身構えた。
扉のずっと奥の方では、アマンダが髪を掻き揚げながら、長い髪をピンで留め、意味深な笑みを浮かべている。
「だぁぁめぇ~。そのオニイサンは私の可愛いヒトなんだから」
辺りからブーイングが飛び、女達は不満げに一斉に床を踏み鳴らし始める。
ダン!
ダン!
ダン!
僕は揺れる床の上をアリシアを抱き抱えたまま、アマンダの元へと歩いていった。
「僕は君の客になった覚えはないし、それに、一刻も早くここを出たいんだけど……。リュックを返してくれるかな?」
アマンダはクスリと笑うと僕の背後に回り込み、強引に部屋へと押し込んだ。
「君、聞いてる?人の話を……」
「今、出てったら、あのコ達に食べられちゃうわよぉ。チェリーボーイ♪」
「なっ!何を?!」
「あら~。当たっちゃった?それより、彼女を休ませた方がいいんじゃな~い?」
アマンダはベッドを整えてくれると部屋の窓を開け放つ。
そして、澱んだ空気を入れ替えると、部屋を出て行った。
疲れも溜まっていたのか、アリシアの顔色はやや蒼ざめていた。
確かにアマンダの言う通り、これ以上の移動はアリシアには厳しいのかもしれない。
アリシアをベッドにそっと横たえると、その傍に腰を下ろす。
「きゃーーーー!何ぃ~?!いい男だわぁ!!」
「私の客になって!」
「金なんかいらないから抱いて~」
「ずっるーい!おっにぃさ~ん!私だったらお金、あげるわよ~!」
僕は瞬時に身の危険を感じて身構えた。
扉のずっと奥の方では、アマンダが髪を掻き揚げながら、長い髪をピンで留め、意味深な笑みを浮かべている。
「だぁぁめぇ~。そのオニイサンは私の可愛いヒトなんだから」
辺りからブーイングが飛び、女達は不満げに一斉に床を踏み鳴らし始める。
ダン!
ダン!
ダン!
僕は揺れる床の上をアリシアを抱き抱えたまま、アマンダの元へと歩いていった。
「僕は君の客になった覚えはないし、それに、一刻も早くここを出たいんだけど……。リュックを返してくれるかな?」
アマンダはクスリと笑うと僕の背後に回り込み、強引に部屋へと押し込んだ。
「君、聞いてる?人の話を……」
「今、出てったら、あのコ達に食べられちゃうわよぉ。チェリーボーイ♪」
「なっ!何を?!」
「あら~。当たっちゃった?それより、彼女を休ませた方がいいんじゃな~い?」
アマンダはベッドを整えてくれると部屋の窓を開け放つ。
そして、澱んだ空気を入れ替えると、部屋を出て行った。
疲れも溜まっていたのか、アリシアの顔色はやや蒼ざめていた。
確かにアマンダの言う通り、これ以上の移動はアリシアには厳しいのかもしれない。
アリシアをベッドにそっと横たえると、その傍に腰を下ろす。