フラワーガーデン【アリシア編】
アリシアは真っ赤な顔をして僕をキッ!と睨むと、ベッドの上にあったTシャツに素早く手を通す。

そして、ベッドから飛び降りると、再度、涙目で僕を睨んだ。


「先生の、バカ!スケベ!エッチ!」


アリシアの言葉がグサリと臓腑をエグる。


「変態!」と言いながらアリシアが部屋の扉を開けようとする。


「待って、アリシア!今開けたら……」


……遅かった。


「キャー!!!!」

「かっわいい~~♪」

「美少年よぉ~!美少年~!!」


狂喜乱舞して叫び、部屋になだれ込もうとする娼婦たちの勢いに、アリシアは真っ青になってバタン!と閉める。


「い……、今の……何?」

「ピラニア」

「同僚~」


事態が理解できていないアリシアに、眠っている間の経緯を手短に説明する。


「じゃぁ、服を脱がせたのは……」

「は~い!あたしぃ~!」

「ごめんなさい。先生」


アリシアは真っ赤な頬を押さえると、小さく呟く。


「え?あ。僕こそ……」


この手の中にさっきまで収まっていたアリシアの柔らかな形の良い胸の膨らみを思い出してしまった僕は言葉に詰まり、赤面する。



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