フラワーガーデン【アリシア編】
「あ~。思い出してるぅ。スケベ~」

「そもそも、あれは君が勝手に……!」


コンコン


反論しようとした時、扉のノックに口篭もる。


しかし、ノックはあったものの、なかなかその扉は開かれない。


おかしい。


直感的にそう感じた僕は、壁に体をピタリとつけ、扉をそっと開けた。

けど、扉の向こう側には誰もいない。


何だったんだ?


僕が扉を閉めようとした瞬間、小さな翳がサッと滑り込んで来た。


「ママ~!」

ママ~?!


唖然とする僕たちの目の前で、2、3歳位の小さな女の子がアマンダの胸に飛び込んでいった。


「あらぁ~。どうしたのぉ~。エリー」


女の子はアマンダの膝に顔を埋め、甘え始めた。


「可愛い!!アマンダの子なの?」


クルクルとした赤毛のくせっ毛の女の子が、指をしゃぶりながらアリシアにニコッと微笑み返す。


「そー。あたしが16の時に産んだコ~」

「え?!って、君、今、幾つ?」

「18~」

「じゃ、僕より1つ年下?!」

「あれ~。私より、1つ上~?!」


僕とアマンダはお互いをまじまじと見つめた。


「見えない……」

「見えな~~い」


アマンダの膝にちょこんと座り直した女の子は、「あ~!パパ~!」と嬉しそうに両手を開いて僕に抱っこをせがむ。


アリシアの疑惑の目が僕にゆっくりと向けられる。


僕は慌てて首を振る。





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