フラワーガーデン【アリシア編】
第6節 混乱するアリシア
あれから僕はアリシアへの想いを封印し、必ずアリシアをジョージに会わせるからと説得した。
そして僕達は、ボストンからNYまで内陸寄りに大きく迂回するルートを取りながら南下した。
行く先々でアリシアの顔写真が表紙を飾る雑誌がスタンドに並べられているのを見ては、冷や汗をかいた。
当のアリシアはと言うと、さっきから地図を上にしたり、下にしたり、左にしたりしては、怒ってる。
「これじゃ、どこにいるか分からないわ!」
どうやら、アリシアは究極の方向音痴らしい。
現在地を見失うまいと地図をくるくる回しながらを確認している姿が何だか可愛いと……。
不意にこっちを見たアリシアと目が合い、慌てて目線を逸らす。
マサチューセッツ州を抜けた頃から、アリシアの瞳は輝き、かと思えば、何か物思いに耽るように眉間に皺を寄せる事が多くなった。
「貸して。僕が見よう」
地図を取ろうとして伸ばした手が、彼女の手に触れる。
「あっ、ごめん」
咄嗟に謝ったけれど、アリシアは真っ赤になって、地図を落としてしまっていた。
あの僕の告白以来ずっとこの調子で……。
意識するなと言っても、それは難しいのかもしれない。
分かってはいるけど、彼女の反応に結構、傷付く。
そして僕達は、ボストンからNYまで内陸寄りに大きく迂回するルートを取りながら南下した。
行く先々でアリシアの顔写真が表紙を飾る雑誌がスタンドに並べられているのを見ては、冷や汗をかいた。
当のアリシアはと言うと、さっきから地図を上にしたり、下にしたり、左にしたりしては、怒ってる。
「これじゃ、どこにいるか分からないわ!」
どうやら、アリシアは究極の方向音痴らしい。
現在地を見失うまいと地図をくるくる回しながらを確認している姿が何だか可愛いと……。
不意にこっちを見たアリシアと目が合い、慌てて目線を逸らす。
マサチューセッツ州を抜けた頃から、アリシアの瞳は輝き、かと思えば、何か物思いに耽るように眉間に皺を寄せる事が多くなった。
「貸して。僕が見よう」
地図を取ろうとして伸ばした手が、彼女の手に触れる。
「あっ、ごめん」
咄嗟に謝ったけれど、アリシアは真っ赤になって、地図を落としてしまっていた。
あの僕の告白以来ずっとこの調子で……。
意識するなと言っても、それは難しいのかもしれない。
分かってはいるけど、彼女の反応に結構、傷付く。