フラワーガーデン【アリシア編】
「あのっ!お、女の子の日なの!!!!!!」



僕はがばっと飛び退く。



そう言えば、アリシアは……さっき立ち寄ったあの街で……

僕は彼女が密かに買い物に行っていた事を思い出した。



弾む息を整えながら、冷静になろうと頭を振った。


「はぁ……」

「ごめんなさい、先生。それに私……」


想像に難くない彼女の言葉を、僕は慌てて遮る。


「言わないで」

「でも、先生……わた」


強引に話を続けようとするアリシアの言葉をキスで塞いで抱き締めた。


「お願いだから言わないで。聞くとへこみそうだ。君は僕のことも、もしかして愛し始めてくれてる……んだよね?」

「私……」

「今はそれが分かっただけで、もう十分……」


アリシアは混乱しているようで、さっきから顔を上げない。


「ごめん、性急すぎた」


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