フラワーガーデン【アリシア編】
緊張に体が硬直している私は、カーテンにしがみ付いたまま、心臓のドキドキが今やドクンドクンにまで発展してしまって、一歩も動けない。


「そこに立って話されると、逆光で眩しいんだけど」


ジョージは、ベッドから立ち上がるとカーテンを閉め、私の手を引き、ベッドに向かう。


ジョージの隣に腰掛けるのかと思ってたら、彼は私を自分の膝の上に跨がせ、ベッドに腰を下ろした。


「随分、ばっさりと切っちゃったんだな」

「あ、うん。成り行きで……」


ジョージは私の長かった髪をいつも愛しそうに撫でてくれていたから、怒られるのかと思った。


「まぁ、これはこれで、可愛いな……」


髪を愛おし気に撫でてくれるジョージの指が嬉しくて、涙がじんわり滲んでくる。


「でも、またオレのために伸ばせよ」

「うん」

「あの……さ。……そろそろ、キスしてもいいか?」


躊躇いがちなジョージの言葉に吹き出しながら、「うん」と頷いた。




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