フラワーガーデン【アリシア編】


例えば、愛する事が許される恋人同士だったら……


例えば、明日会うことが約束出来るのだったら……



私達はこんなに急いで、想いを伝え合わなくてもいいのかもしれない。



だけど、この肌の温もりは、離した瞬間から二度と触れる事さえ叶わない……。



ジョージも分かっているから、

だから、愛を伝えてくれる。


不確かな明日に目を瞑って、私はジョージの手を握りしめ頬を寄せた。


「どうした?」
「ううん。あのね」
「何?」
「愛してる……」


ジョージは、クシャクシャの笑顔で私のおでこを指で弾くと、「何を今更……」と笑い、でも「オレも……」と笑いながら、その腕の中で幸せな夢を見せてくれる。


ジョージの腕の中で揺れながら、痛みすら愛しくて……。



ジョージは、「一緒に行こう」と、私を抱きしめる腕に力を込め耳元で囁き、私は「え?どこに?」と尋ねる。


呆れ顔のジョージは、「ばぁか」と苦笑いして、息を弾ませながらその動きを速めていった。



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