フラワーガーデン【アリシア編】

第3節　エドの嫉妬

ベッドの中で私は背後からジョージに抱きすくめられながら、薄っすらと光が差し込むカーテン越しの夕焼けを見た。

「日が……暮れるわ」
「ああ……。もうそんな時間」

ジョージは、サイドテーブルにある腕時計に手を伸ばし、時間を見る。
私はジョージの手を両手で包み込むと、そっと胸に抱きしめた。

「もう少しだけ。もう少しだけこのままで」


やがて、日が沈みジョージの「アリシア。もう、帰らないと……」と囁く声に震えながら、「う……ん」と頷く。

それから、お互いの支度を整え、もう一度強く抱き締めあう。

その時、ドアをノックする音に、私たちはびくっとなりお互い顔を見合わせる。

「先生、帰ってきたみたい」

ジョージはチッと舌打ちし、机の上の残りのゴムを手早く掻き集め私のリュックに入れる。


「これはアリシアが持ってろよ」

「ええっ！私が！？」


ジョージが私の顎に手を当てもう一度キスをしようとした時、再度鳴るノックの音に遮られる。


「無粋なヤツ！」


ジョージは、苦々しく笑うと、素早く私にキスをして扉の方に歩いて行く。


でも扉が開いた瞬間、私は後退り、引いた足がガタンと椅子に当たりよろめいてしまう。


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