フラワーガーデン【アリシア編】
「随分と探しましたよ、アリシア」

エドワード・マッカーシーが、静かにその怒りを瞳に燃え立たせながら、ツカツカと部屋の中に入って来る。


そして、ジョージを睨みつけると、怒気を含んだ声を押さえながら私の腕を掴む。

「みんな心配している。さ、帰りましょう」

扉に向かおうとしているエドに引っ張られつんのめっている私の肩を、ジョージが支え自分の元へと引き寄せる。


「久し振りの兄妹の再会なんです。そんなに性急に連れて行かなくても……」


乱れたベッドに目を留めたエドの顔が微かに歪む。


「君達が普通の兄妹の関係ならね」

「ジョージ……彼は知ってるの。私たちのこと……」

「え？！」

「知りたくもないことでしたがね。その上、ヘイワーズ氏は心痛のあまり倒れてしまわれた」

「おじい様が？！」


私とジョージの驚きの声が重なる。


「ヘイワーズ氏は、アリシア、君が不義の子を宿すような過ちを犯しているのではないかと、非常に心配しておられた」


エドが怒りに満ちた目でジョージを睨んでいる。


ジョージはふっと笑みを浮かべると、今にも崩れ落ちそうになる私の体を支えた。






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