フラワーガーデン【アリシア編】
「先生!!」


先生はエドの拳を掴んだまま、にこっと微笑む。


「ただいま。話し合いは出来た?」


ジョージが「ああ」とぶっきらぼうに返事を返し、そっぽを向く。


「それは良かった。……だそうです、ミスター・マッカーシー」


先生は微笑みながら握った手でエドと握手を交わす。

床にへたり込んでしまった私の体をジョージが抱き起し、心配そうに覗き込む。


「アリシア、大丈夫か?」


ジョージの問いに、私は何とか頷く。


「私のフィアンセを返してもらいますよ」


エドは再び強引に私の手を引くと、足早にホテルの廊下を歩き出した。


私は何度も何度も後ろを振り返った。


廊下では、エドのガードマン達がジョージと先生の行く手を遮るように立ちはだかっている。


「ジョージ!!」

泣いたら、ジョージが見えなくなる……。

だから、エドに引き摺られながらも、今度こそ最後まで絶対泣かないでジョージの姿を瞼に焼き付けようと必死で涙を堪えた。





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