フラワーガーデン【アリシア編】
市場で爆発事故があったことは、たちまち町の人々を混乱に貶めていた。

市場は怒号飛び交うパニック状態だった。



「遺体はバラバラで誰が誰だか判別がつかないぞ!」


「こりゃ、ひでぇーや!!みんなまとめて共同墓地で埋葬するしかないだろうよ!」



当時10歳の俺は、死臭漂う市場で父さんの腕時計をポケットにしまいながら、周りの大人たちの会話を何とか聞き取っていた。



共同墓地……?

父さんの手しかない棺が目に浮かんだ。


「……嫌だ」


俺は駆け出すと、すぐさま家にカーゴワゴンを取りに戻った。


そして、市場に戻ると地べたを這いつくばるように、両親のその朝着て行った服や、体の傷跡などを手掛かりに方々に散らばっていた遺体を集めた。



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