フラワーガーデン【アリシア編】
手に布を巻き付けると、枕とブランケットを引き摺って、コンサバトリーへと向かった。

昔から何もかも忘れたい時は、観葉植物や花に囲まれたガラス張りのコンサバトリーにある長椅子に横たわりながら、星空を眺めていた。


しかし、この日はなぜか先客がいた。


「アリシア……」


俺はすんげー嬉しそうに手を振るアリシアと目が合うと、慌てて回れ右をし、針路変更を図ろうとした。

が、失敗した。



「見て!ジョージ!!キレイ!!」



アリシアは俺の服の裾をひっ捕まえると、天を指差す。


「あれ?ジョージ、その手、ケガしたの?」

「えっ?ああ……別に大した怪我じゃない」


慌てて、手を引っ込め空を見上げる。

ごちゃごちゃと星の光で瞬く空を、幾筋もの流れ星が落ちて行く。



「……すごいな」



流星群だ。



気付くとアリシアが側に寄り添って、嬉しそうに俺を見上げて微笑んでいた。



俺は慌てて、顔を背ける。


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