フラワーガーデン【アリシア編】
「来月のあなたの１５歳の誕生日に、私達は婚約の発表をすることになっています」

「えっ？聞いてないわ！そんなことっ！！」


途端に、なんでこんな男に気を許して笑ってしまったのかと酷く後悔する。


「ヘイワーズ氏から了承を得たのが、つい最近でしたので」


後退ると同時に、木の隆起した根っこに足を取られてよろめく。

その時、助けの手を差し延べたエドの手を強く払い除ける。


「私はあなたと婚約なんかしないわ！」

「ですが、ヘイワーズ家の将来を考えれば、あなたはこの申し出を受けざるを得ない」

「……ヘイワーズ家の将来？」

「こちらへ」


エドは私の腕を掴み、大股で庭を横切ると門番に家の門を開けさせる。


「イヤよ！私は行かないわ！離して！！」

「あなたは、ゆくゆく私の妻になる。
だから私もあなたに包み隠さず話すつもりです。
とって食べたりはしないから、僕の言う通りついて来なさい」


私の腕を握る手に力をこめると自分の車の助手席に私を乗せ、運転を申し出る運転手を退け、自らの運転で車を発車させる。



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