先生だって遊びたい
「づ、が、れ、たー」

これで健康診断終わり…生徒達の分は…

 (明日は、おじさんとおばさんか……)

終礼も終わり一度寮に戻ると食事を済ませてから篠原美沙希を北島先生と迎えに出かけたのであります。

「なぁもう少し時間空けたほうが良くないか?」

「どうして?」

「迎えに行っても直ぐには寮に帰れないだろう?まだ他の生徒も起きてるだろうし…」

「そっか…」

 (こいつ気が利くじゃん)

「少しコーヒーでも飲んで行くか?」

「そうだね?雪乃先輩と光浦に電話しとくわ」

藤井雪乃の病院に向かう途中にある小さなカフェの駐車場に北島先生は車を止めると車から降りた美鈴が辺りを見渡して居ると北島先生は不思議に思った様であります。

 (花水木か…)

「どうした?」

「この道何度も通った事あるけど知らなかったなぁ…」

「ここのコーヒー旨いんだ」

扉を開けるとカランカラン♪とドアベルが鳴る。
お店の中はカウンター席しか無いけど、椅子は背もたれも高くゆったりと座れるようになっている。
壁には小さな海外の風景画が飾ってあって落ち着けるお店だった。

「俺はブレンド」

「あ、アインシュペナーがある、私これにする」

アインシュペナーとは、ほろ苦いコーヒーとクリームの調和を楽しめるウィナーコーヒーの様なもの。

「美鈴、こちらここのオーナーで美寿々ちゃん」

「えっ?みすず?」

「私のは美しい寿(ことぶき)と久々のカタカナのクの字に点が付いた字なんです説明する時難しいんですよね?」

彼女は自分の名前をメモ用紙に書いて説明してくれたのである。

「私は美しい鈴と書いて美鈴です」

「美鈴、美寿々、同じみすずという事で良かったらご贔屓(ひいき)にしてください」と彼女は微笑んで見せる。

「はい」と美鈴も微笑む。
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