先生だって遊びたい
寮に戻るとバルーンスリーブの白いブラウスに黒のショートパンツに着替えてドレッサーの前に座るとメイクを直し口紅を先週発売された口紅につけ直すのであります。

 (この口紅のキャッチコピー【オフィスラブがしたくなる口紅】そんなキャッチコピーに惹かれて買ったんだよね)

「まぁオフィスラブなんて無いけどね」

支度を済ませると肩にストールを掛けて裏門から中庭横の駐車場に向かったのであります。

「へぇー美鈴、俺の為に着替えて来たの?」

 (んな訳あるかー!)

「違う!なんで皇輝の為に着替えるの?仕事着とプライベートとは、分けてるだけ!」

美鈴は仕事着はジーパンにTシャツと医者の時から決めているのである。

 (うそでもあなたの為って言える程可愛かったらなーこの年まで1人で居ないな?)

「まぁ美鈴は恥ずかしがりやだからな!良いよそういう事にしとくよ」

 (ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん……誰のギャグだっけ?)

「しとくよって何?…まぁいいや奢ってくれるなら」

「乗って」

「どこ行くの?」

「美鈴、食べたい物ある?」

「ん…私、小籠包食べたい」

「じゃーあそこかな?」

連れて来てくれたのは小籠包の食べ放題だったのである。

「やったー!食べ放題じゃん小籠包を思いっきり食べれるー皇輝マジナイスじゃん!」

「美鈴なら喜ぶと思ったよ、普通の子なら初めてのデートで食べ放題って引くけどな?」

「なに普通の子ならって私は普通じゃないって言うの?ってかこれデートじゃ無いし」

 (こいつさらっとデートとか言ってるし)

「俺はデートのつもりだけど?」

 (はいはい、勝手に言ってろ!)

「小籠包の他も色々あるじゃん!これみんな食べ放題?クー嬉しーぃ」

「よし!食おうぜ!」

食べ放題はまず男女同じ料金の事が多いその場合女の人が元を取ろうなんてしたら相当な大食いだろう?
ましてや男の人と一緒だと恥ずかしくて控えめになるであろう?
しかし美鈴にとってそんな事は全くもって関係ないのである。
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