先生だって遊びたい
拒もうとしていた両腕は彼の背中に回していた。
唇がはなれると皇輝はまっすぐ美鈴を見て

「美鈴のまっすぐな瞳が好きだよ。嘘をつけない美鈴が好きだ。美鈴、俺と付き合え!」

「……皇輝…… あっダメ!流されないよ!流されるような年じゃないからね、もうからかわないで!離れてよ!」

 (この女たらし)

美鈴は彼から離れようとした。
でも皇輝は美鈴の肩を掴み放してはくれなかったのであります。

「からかってないって!」

「そんな手には騙されない!何人の女の子騙して来たのよ?!」

「騙してないってば!」

「私の瞳は真っ直ぐじゃありません!嘘もつきます!だから放してってば!」

「美鈴の瞳は真っ直ぐだし、美鈴は嘘をつけない。そうじゃなかったら篠原は美鈴に素直に話したりしなかったと思う。美鈴は篠原に嘘をついて話を聞き出そうとしたりしなかったろ?教師のいや大人の都合のいい嘘はついたりしない。光浦先生の事を好きじゃなくても教師として尊敬出来る美鈴を俺は好きだよ」

「皇輝…」

「俺、本気だから美鈴も本気で考えてくれ」と真面目な顔で言う。

皇輝が真剣に言っている事が分かり美鈴も「分った…」と答えた。
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