先生だって遊びたい
クラブを出て通りに出ると皇輝が車で待っていてくれたのである。

「おい!お前らなんて顔してるんだ!」

店長からこの子達が来てると聞いて皇輝に迎えに来てくれるように電話をしていたのである。
何かあった時ひとりでは対応出来ないかもしれないと思っての事だった。
到着して10分して出て来なければクラブに入ってきて欲しいと頼んでおいたのだが、そうならなくて良かったと私は安堵した。


「まあまあ北島先生この子達もちょっと息抜きしたかっただけでしょ?悪いけど連れて帰ってくれる?じゃ!」

「こら!おまえも帰るんだ!」

 (お許しくださいお代官様!)

「私、来たばっかりだもん外泊届けも出してあるし今日はオールで踊るんだってばー」

皇輝は美鈴の腕を掴み行かせてはくれなかったのであります。

「早く乗れ!」

「もう…私だって遊びたいし…」

 (クラブよ待っていておくれ)

皇輝は生徒二人を後ろの席に乗せると美鈴を助手に押し込んだのである。
皇輝は運転席に乗ると静かに車を走らせた。
彼はルームミラー越しに彼女達を睨む。

「お前ら何考えてるんだ?こんな所来て学園に知れたらただでは済まないぞ?」

「ごめんなさい…」と彼女達は小さくなり反省しているようだ。

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