先生だって遊びたい
売店でパンを買い保健室に戻りコーヒーを淹れていると先ほど聞いた声が聞こえてきたのであります。

「いい香り俺にも淹れてくれる？」

　（はぁ？）

またベットのカーテンが閉まっており開けてみるとさっきの男がまた寝て居たのであります。

「なんでまた居るのよ?!」

「あぁ俺、今日は1時間目授業無くてさぁ職員室に居るとババァーが色々煩くてここに避難してる」

彼はそう言うと美鈴の手からマグカップを取るとコーヒーを飲み始めてしまったのであります。

「ちょっとそれ私のコーヒー…」

仕方なく美鈴はもうひとつコーヒーを淹れる事にしたのであります。

「ババァーって誰よ？ニガッ…」

　（豆入れすぎたか？）

「光浦先生」

「あー光浦ねあの人昔から煩かったから」

「なに？あんた光浦先生の事良く知ってるの？」

「まぁね、私ここのＯＧだから」

「へぇーじぁあんたもお嬢様って事か？」と彼は驚いて聞く。

「別にお嬢様って訳じゃないよ」

「ふーんまぁどうでも良いけどこれからよろしく頼むわ！俺、北島皇輝　27歳、で、あんたは？」

「桜美鈴……29歳」

「年上かじゃ先輩じゃん」

「人生ではね、教師としてはまだ3日目、新人よ」

「え？今まで何やってたの？」

「医者」

「えっー医者？なんでまた教師になったの？医療ミスでもしたの？」

「してない！ってかこれ身元調査？私これから健康診断の準備しないといけないから出て行ってくれる？」

「あー健康診断ね、じゃまた後で」と彼は手を振って保健室を出て行ったのであります。
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