先生だって遊びたい

*‧・❁˚.・*❁【井上香織ここに眠る】*‧・❁˚.・*❁

 (香織…私ねぇ北島皇輝、彼と結婚しようと思う。香織は許してくれる?私が幸せになる事… あなたを救えなかった私がひとり幸せになっても良い?)

美鈴が香織のお墓に手を合わせていると佐々木さんが声をかけてくれる。

「美鈴ちゃん、香織は君の幸せを願っていると思うよ。いつだって君達は互いの事を思い合っていたじゃない?もう自分を責めないで幸せになってくれ。香織もそれを望んでると思う」と佐々木さんは微笑んでくれる。

「美鈴、結婚してください」

皇輝から再びプロポーズ…今朝『はい』ってプロポーズの返事はしたのに…

 (皇輝…ありがとう。やっぱり皇輝が好き)

「皇輝、私と結婚してください」


*‧・❁˚.・*❁*‧・❁˚.・*❁*‧・❁˚.・*❁*‧・❁˚.・*❁



「美鈴、早くしろよ!」

「今、出るから待って!」

私達は結婚し、今日も二人一緒に櫻瞳華学園高等科へと出勤する。

「皇輝、帰りは日曜日の夕方だよね?」

明日からサッカー部は隣県で大会がある為授業後、2泊3日の遠征に出掛けるのである。

「あぁ多分18時には帰って来るよ」


授業後サッカー部はバスに乗り遠征へと出掛けた。
皇輝も遠征へ行くのだが今回はバスに乗らず自分の車で行く事になった。

「皇輝、気をつけてね!」

「美鈴、大人しくしてろよ!」と車を走らせて行った。

美鈴は自宅に戻ると軽く食事済ませると着替えをしメイクを直す。

「よし!出かけよう」



美鈴は【INFINITY】に来ていた。

「美鈴ちゃん今日旦那様は?」と店長から声が掛かる。

「今日から遠征に行ってるのだから鬼の居ぬ間にね!楽しみに来ちゃった」

「誰が鬼なんだ?」

美鈴の背後から声が掛かり美鈴の背中に冷たいものが流れた。
振り向かなくても声で分かる…

 (…どうして?…遠征に行ったはずじゃ…)

「美鈴、大人しくしてろって言ったよな?」

美鈴は振り返りる。

「だって!」

「だってじゃない!行くぞ!」

皇輝に引きずられていく美鈴を店長は手を振って笑っている。

皇輝と車に乗り家まで帰って来る。

「皇輝、遠征に行ったんじゃないの?」

「あぁ美鈴を迎えに帰ってきた。まさかと思ったけどやっぱり【INFINITY】に行ってたとはな」と皇輝は大きな溜息をつく。

「だって遊びたいんだもん…」と美鈴は小さな声で呟く。

「はぁ?」

「先生だって遊びたーい❢❢」



その後美鈴は皇輝に付いて遠征先に向かった。



ちょっと皇輝の束縛が強いがそれでも自分を心配してくれる皇輝を愛している。

そして美鈴は幸せを感じていた。




        完


 
< 66 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop