直線の距離ｰ偶然の再会ｰ

見覚えのある人

日曜日の部活帰り。


明日学校か…と肩をなで下ろしながら、いつもの変わらない道を歩く。


変わったのは、街がすっかりクリスマスモードになったこと。
多くの色で飾られた街はクリスマスに向けてのカップルばかり。


最近なぁちゃんがいつにもまして表情がイキイキしていることにも納得がいく。




｢はぁ。｣




こんなにもキラキラしているのに、部活帰りに1人で歩いていることがむなしくてため息がこぼれる。


俺自身が望んだことだけど、ふっかとなぁちゃんが楽しそうなのを見てると、やっぱり羨ましく思う。



恋、したいなぁ…。



そう思いながら正面から歩いてくる1人の女の人を、無意識のうちに目で追っていた。


その人とすれ違った瞬間、


俺はバッと振り返ってその人の手首を掴んでいた。