直線の距離ー偶然の再会ー
「ねぇ亜紀?」



俺の右手で彼女の左肩を掴む。
一瞬驚いたように目を丸くし、目線がバッチリ合う。

すぐに目線は逸らされたが俺の言いたいことを察したらしい。



「ちゃんと話すから!…全部、話すから。」

「わかった。俺、毎週火曜部活オフなんだけど、会えない?」

「…うん。来週、大丈夫だけど。」

「じゃあメアド教えて?時間とかはまた後で連絡するよ。」

「うん、待ってる。じゃあ、あたしもう行くね。ばいばい。」



彼女はやっぱり無理に笑ってその場で別れた。

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