Ri.Night Ⅳ


「痛いよ、ママ!!」


「ママじゃねぇ!パパだ!……って、帰ってきて早々このくだりはいいっつーの!」


「いーたーいー!暴力反対!」



まだゲンコツされた所が痛いのに、こめかみまでグリグリされるとか有り得ない!


自分の方が帰ってきて早々それはないんじゃないの!?



「……ったく、心配ばっかかけさせんじゃねぇよ!」


「いっ゙……!」


呆れ声と共に落ちてきたのは鋭いデコピン。


頭、こめかみに加えおでこまで。


どこもかしこも痛すぎるんですけど!



「ちょ──煌?」



反撃しようと声を張り上げた時、視界に入ったのは今までに見たことがないぐらい嬉しそうな煌の笑顔。



「バーカ」


「煌………」



さっきまで怒ってたのに、煌の嬉しそうな顔を見たらそんな感情吹き飛んでしまった。


まるで、『おかえり』って言ってくれてるようで。



「ただいま!」


涙が溢れた。



「な、なんだよ、急に!」



ぴょんと飛んで抱き着くと、上擦った声で引き離しにくる煌。


「おっ?煌照れてんぜ?」

「本当だ、照れてる」

「煌可愛いー」



それを見た三人がテンパっている煌を茶化し始めた。

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