Ri.Night Ⅳ
「照れてねぇよ!」
図星を突かれて恥ずかしいのか、柄にもなく慌てている煌。
「……チッ、お前はこんなとこに居ねぇで向こうへ行ってこい!」
いきなりドンッと突き飛ばされ、体勢を崩したあたしは慌てて身体を起こした。
「──凛音」
顔を上げると、十夜があたしに向かって歩いてきていて。
その姿に、皆とはまた違う胸の高鳴りがあたしを襲った。
「凛音」
愛しいその声に導かれるように、足が十夜の元へと進んでいく。
手が届きそうな位置まで来た時、伸びてきた手に囚われて。
「……凛音」
気付けば愛しい人の温もりに包まれていた。
覆い被さるように強く抱き締められる。
「……っ」
自然と零れる涙。
色々な感情が一気に溢れて止まらない。
……長かった。
物凄く長く感じた。
逢ったのはほんの数日前なのに、もう何ヵ月も逢ってないかのような感覚がして。
いつか戻れるかもしれないと思うだけでその日が待ち遠しくて仕方なかった。
……まさか、まさかこんなに早く戻れる日が来るなんて思いもしなかったよ。